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睡眠障害

睡眠障害のお悩みには 重炭酸温浴が有効です

2023.05.29 奴久妻 智代子

睡眠障害のお悩みには 重炭酸温浴が有効です

現代社会において、睡眠障害は多くの人々が抱える問題となっています。睡眠は体温を下げて寝付くため、体温が低い冷え性の方は体温の下げ幅が小さく、深い寝つきが得られず、寝てもすぐ目が覚めてしまうため、睡眠を改善するためには、体温を上げることが極めて重要となります。動物実験ではありますが、全く睡眠させない場合、ほぼ14日で死に至ります。毎日の睡眠によって、成長ホルモンを分泌させ、臓器の修復、細胞の再生や、がんの修復、記憶の固定などが行われております。ですから深い眠りが得られない場合はあらゆる不調や病気の原因となり、不眠期間が長引くと、日中のパフォーマンスが落ちるだけでなく、インスリン抵抗性なども招いて糖尿病のリスクを上げたり、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβの蓄積を高めたり、夜間活躍するリンパ球の働きを弱めてがんの発症を促進したり、様々な病気の発症を促す要因となる報告がされています。
それゆえに、重炭酸温浴NO療法により、深部体温を上げ、末梢の血管を拡げて血流をよくすることで基礎体温を上げれば、睡眠時に体温の下げ幅が大きく取れ、熟睡度が上がり、睡眠障害が改善されます。本記事では、重炭酸温浴の効果について詳しく解説し、睡眠障害を改善するための最高の手段として、重炭酸温浴NO療法をご紹介します。

睡眠に関してこんなお悩みを抱えてはいませんか?

あなたはご自分の睡眠に満足していますか?以下のようなお悩みを抱えてはいませんか?

●ベッドに入ってもなかなか寝付けない
●夜間、睡眠の途中で何度も目が覚めてしまう
●朝早く目覚めてそれ以降眠れないことがある
●睡眠時間が足りないと感じる
●日中気分が落ち込むことがある
●仕事や家事のパフォーマンスが下がっている
●日中眠くなることがある

私たち人間の深部体温は37℃±0.5℃に維持され、その範囲の中で日中は高く、夜間は低く、1日24時間の概日リズムを刻んでいます。深部体温が高い日中、人は覚醒して代謝を上げ、活動的になります。深部体温が低い夜間は休息の時間帯として、体は自ら代謝を下げ、睡眠をとるようにプログラムされています。子育て中の方は誰しも経験があるように、ぐずっている赤ちゃんの手足が温かくなってくると、それは眠りに入るサインです。赤ちゃんに限ったことではなく、大人も同じです。活動時の日中は交感神経優位で収縮していた末梢の血管が、休息時の夜は副交感神経優位になり拡がることで、深部の熱を逃がし、深部体温を下げて、覚醒モードから睡眠モードへと移行することができます。
もともと深部体温が低く、低体温で睡眠前の深部体温の下げ幅が小さい方や、末梢の血管が収縮したままで放熱できない冷え性の方、交感神経が優位でストレスで眠れない方は、この切り替えがうまくいかず、睡眠の質が下がります。

睡眠障害には重炭酸温浴NO療法がもっとも効果的です

重炭酸温浴は、ドイツでは医療として生活習慣病の保険適用にもなり、その治療効果は国際的に認められています。重炭酸温浴に含まれる重炭酸イオンが血管拡張物質である一酸化窒素(NO)の分泌を介して血管を拡げ、血流を促すことで、体に負担をかけずに深部体温を上げることが報告されています。
個人差はありますが、20~30分以上の重炭酸温浴により深部体温が1℃上がると、それを下げようとして末梢の血管が開いて血液を流して放熱するため、深部体温の下げ幅がしっかり確保され、体はそれに反応してスムーズな入眠モードに入ってゆけます。
また、社会生活を送る上で避けられない人間関係の悩みや、加齢とともに増える病気の悩みなど、簡単に解決できないメンタルなお悩みがあると、夜も交感神経が刺激され続け、血管が収縮してやはり放熱ができなくなり、眠れない、という悩みが加わることになってしまいます。
このような方にも、重炭酸温浴は末梢の血管を拡げて副交感神経を優位にし、リラックスモードを提供して熟睡できる体温の下げ幅を大きくし睡眠の質を上げることができます。

重炭酸温浴が睡眠障害を改善する3つのメカニズム

重炭酸イオンを介した血管拡張物質NO(一酸化窒素)の分泌が血管を拡げる

重炭酸入浴剤のおもな成分は重曹とクエン酸、ビタミンCです。お湯に溶かすことで生じる重炭酸イオンが皮膚から吸収されて、血管での一酸化窒素(NO)の分泌を高めます。NOは血管を拡張させる作用を備え、拡がった血管の中を血液が流れやすくしてくれます。この重炭酸イオンの作用で、お風呂から出た後も末梢の血管拡張効果が続きますので、眠りにつく前の赤ちゃんのように手足がぽかぽかと温かくなり、速やかな入眠誘導に適しています。

重炭酸イオンによる、血管内皮での一酸化窒素(NO)産生及び血管拡張メカニズム

血流をよくして体温を上げる

NOの作用で血管が拡張して全身の血流がよくなり、ぬるいお湯の温度でも体温が上がるため、副交感神経優位な状態を保ちながら興奮せずに体温を上げることができます。また、ビタミンCの作用で水中の残留塩素が瞬時に中和されるため、化学的な交感神経刺激がなく、血管の拡張を妨げません。重炭酸温浴を継続することで基礎体温が上がってくると、普段から末梢の血管が開きやすくなります。

合成洗剤を使わずに汚れやニオイを落とすオールインワン入浴剤

マイナスに荷電した重炭酸イオンが、プラスに荷電した表皮の老廃物を吸着して、化学物質を含む洗浄剤を使わずに汚れやニオイを除去してくれます。交感神経を刺激して血圧を上げてしまうような化学洗浄剤を使って体を洗ったり髪をシャンプーしたりする必要がなく、重炭酸入浴剤一つで洗浄と温めの役割を果たしますので、バスタイムにはただ頭から足の先まで浴槽にゆったり浸かってください。

重炭酸温浴法で睡眠障害が改善した例をご紹介します

冷えに悩む成人女性で、3ヵ月の重炭酸温浴により寝つきが改善した例

通年性の冷えに悩む成人女性19名(平均年齢42.6±7.5歳)を対象として、家庭での重炭酸温浴による入眠潜時(ベッドに入ってから寝付くまでの時間)を検証しました。1日20分、3ヵ月間毎日の重炭酸温浴により、入眠潜時は有意に改善しました(第84回日本温泉気候物理医学会学術総会 2019)。

重炭酸温浴による睡眠改善効果
(睡眠潜時の短縮)

成人男女健常人で、1ヵ月の重炭酸温浴により睡眠の質が改善した例

成人男女健常人60名(平均年齢41.3±10.9歳)を対象として、家庭での重炭酸温浴による睡眠への効果を検証しました。1日20分、平均週5回の重炭酸温浴により、睡眠の質は有意に改善しました(自社データ)。

重炭酸温浴による睡眠の質改善効果

睡眠は心身の疲労回復のみならず、免疫の増強やホルモン分泌の調整、記憶の整理や定着の役割を持つ重要な生理現象です。日中のパフォーマンスの低下のみならず、重篤な疾病に繋がりかねない睡眠障害が、薬に頼らず重炭酸温浴により改善できることは、大きな福音です。様々な試験結果が示す重炭酸温浴の睡眠障害改善効果を、ご自身で体感してください。

参考資料

Scientific Reports 11, 21789 (2021)