対処実績のある症状

日本では3人に1人が高血圧と推定され、いまや国民病です。多くの場合、高血圧それ自体に症状はありませんが、高血圧の継続によってやがて全身の血管が障害されると、脳卒中や心筋梗塞といった重大な疾病を引き起こしたり、認知症の進行を早めたりすることが知られています。高血圧は食事や運動ではなかなかコントロールできず、多くは医師から薬物治療をすすめられますが、薬で血圧の数値は下げられますが、降圧剤は副作用も大きく、一生薬が手放せなくなり、薬では本質的な高血圧症は治せません、加齢が進むと高血圧は進む一方ですから、薬が一生手放せなくなります。
重炭酸温浴NO療法では、健康ホルモンである体内一酸化窒素（NOエヌオー）が毛細血管を柔らかくかつ拡げ、心臓に一切負担をかけることなく、6カ月程度続けることで、年齢に応じた最適な血圧に下げてくれます。4０℃以下のぬるめのお湯にじっくり浸かってみてください。　重炭酸温浴は特に高血圧の患者さんでも安心して取り入れられる方法です。
キーワードは一酸化窒素（NO）。重炭酸温浴によって分泌される健康ホルモン“NO”の血管拡張効果と血管内皮機能を高める作用が、高血圧対策をサポートします。本記事では、重炭酸温浴法の詳細について解説し、高血圧改善に取り入れる方法をご紹介します

こんな症状、日常的にありませんか？ 高血圧が原因かもしれません

高血圧の症状を知ることは、高血圧を発見し、適切な対処をするために重要なことです。通常、高血圧症には目に見える症状はありませんが、めまい、頭痛、吐き気、目のかすみ、呼吸の速さ、いびきなどの症状が現れたら、血圧に問題が生じている可能性があります。また、逆に低血圧の場合にもこれらの症状が当てはまることがあります。
しかしながら、健康診断で指摘されて初めて気づくケースも多いでしょう。指摘されないように予防することも大切ですが、高血圧が発覚してからでも遅いことはありません。自分の体のことを知り、私たちの体に張り巡らされている血管の健康を意識してみましょう。

高血圧は重炭酸温浴で改善できます

ドイツでは自然重炭酸泉が療養泉として生活習慣病の保険適用にもなり、その治療効果は国際的に認められています。重炭酸温浴に含まれる重炭酸イオンがNO分泌を促して血管を拡張することで血圧を下げることが報告されています。特に高血圧の方には安全性が高く、血圧を下げるための代替治療として医師から推奨されることも多い方法です。重炭酸入浴剤は、食品レベルの重曹とクエン酸、ビタミンCを主成分としていますので、安心して血圧と全身の循環を調整することができます。
なぜ重炭酸温浴は高血圧を改善できるのか、重炭酸温浴の３つのメカニズムについてご紹介します。

重炭酸温浴が高血圧を改善する3つのメカニズム

重炭酸イオンで健康ホルモンNO（一酸化窒素）を増やす

重炭酸入浴剤のおもな成分は重曹とクエン酸、ビタミンCです。お湯に溶かすことで生じる重炭酸イオンが経皮吸収されて、体内での一酸化窒素（NO）分泌を高めます。NOは健康ホルモンとも呼ばれ、血管を拡張させたり、抗酸化作用や抗炎症作用をもたらして傷んだ血管を健康な状態に戻してくれます。

血流をよくして体温を上げる

NOの作用で血管が拡張して全身の血流がよくなり、ぬるいお湯の温度でも体温が上がるため、高血圧の方でも心臓や血管に負担をかけずにリラックスした状態を保ちながら体温を上げることができます。また、ビタミンCの作用で水中の残留塩素が瞬時に中和されるため、化学的な交感神経刺激がなく、血管の拡張を妨げません。重炭酸温浴を継続することで基礎体温が上がってくると、普段から末梢の血管が開きやすくなります。

合成洗剤を使わずに汚れやニオイを落とす

マイナスに荷電した重炭酸イオンが、プラスに荷電した表皮の老廃物を吸着して、化学物質を含む洗浄剤を使わずに汚れやニオイを除去してくれます。交感神経を刺激して血圧を上げてしまうような化学洗浄剤を使う必要がなく、重炭酸入浴剤一つで血流促進と洗浄の役割を果たします。

重炭酸温浴法で高血圧が改善した例をご紹介します

男性14名、女性3名、計17名（平均年齢52.2±7.3歳）の健常人ボランティアについて1日1回40℃、20分の重炭酸温浴を2ヵ月間継続したところ、起床時の最大血圧、最小血圧ともに温浴日数とともに顕著に低下し、高血圧の改善を示しました。また、体温は温浴日数を重ねるごとに上昇して有意な正の相関を示しました（Spearmanの順位相関による各P値は、0.0061、0.000429、0.0186、自社データ）。

重炭酸泉を使った適切な湯温での入浴により、循環器系に負担をかけることなく血管を拡張させることで、血管の抵抗が緩和されて血圧が安定的に低下し、血液の流れが改善され、熱の産生や運搬が亢進し、体温上昇にもつながったと考えられます。

高血圧は、適切な監視と薬物療法が必要で最悪の場合には死を招く深刻な疾患といわれています。しかし、家庭でのお風呂習慣を重炭酸温浴に変えることが、血圧を下げるための有用な代替手段となることがわかりました。重炭酸温浴は、高血圧の症状を軽減するだけでなく、血管内皮の機能を高め、高血圧の症状をよりコントロールすることが期待されています。高血圧でお悩みの方は、ご自分に合った重炭酸温浴の方法で、血圧のコントロールにトライしてみましょう。

参考資料

Scientific Reports 11, 21789 (2021)