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PMS

PMSのお悩み改善に 重炭酸温浴NO療法を

2023.05.27 奴久妻 智代子

PMSのお悩み改善に 重炭酸温浴NO療法を

月経前症候群(premenstrual syndrome; PMS)とは、月経前になると現れる心身の不調、月経前症候群(PMS)に繰り返し悩まされてはいませんか?むくみからくる乳房の張りや下腹部痛などの身体的症状、イライラ感や憂鬱などの精神的症状は、他人からわかりにくい、薬ではなかなかコントロールできず、また年々症状が重くなるケースも多くみられます。婦人科で治療を受けても再発を繰り返し、仕事や日常生活にまで影響を及ぼす深刻なPMSには、自律神経も含めて意外な原因があり、そのすべてが低血流、低体温、冷えに繋がっていることがわかりました。重炭酸温浴NO療法で血流を上げ冷えを解消することから、PMS対策に有効と思います、温浴療法で改善を始めてみませんか?思ったより効果が上がる方がおられます。

こんな症状でお困りではありませんか?

PMSの症状は早い方では10代から始まり、20代、30代、40代と年代が進むにつれてその種類も不調のレベルも変わってきますが、月経前に以下のような症状が現れて、そのせいで仕事や家事の能率が落ちたり、職場や家庭で人間関係に支障を来したりしたことはありませんか?

●抑うつ気分になる。または絶望的な気分になる。
●不安になる。または緊張する。
●涙もろくなる。または突然悲しくなる。
●怒りっぽくなる、またはイライラする。または人にあたる。
●興味がなくなる(仕事、学校、趣味など)。
●集中力が低下する。
●疲れやすくなる。または気力がなくなる。
●食欲が増す。または特定の食べ物(例:甘いものなど)が欲しくなる。
●いつもより眠りすぎる。
●いつもより眠れなくなる。
●自分をコントロールできない感じになる。
●下記の身体症状のどれかが現れる。

乳房の痛みや張り、腹部の張る感じ、腹痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、身体がむくんだ感じ、体重増加、便秘や下痢、
これらの症状は、女性ホルモンである卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の周期的な変化に関わって発生すると考えられており、自律神経やホルモン分泌などとも複雑に絡まった症状が特徴です。女性ホルモンの劇的な変動の繰り返しにより約1ヵ月間の月経周期が作られますが、特に月経前の黄体期は女性ホルモンが急激に下がるため、身体的にも精神的にも大きな影響を受けるようです。

PMSの症状を重くする6つの原因

ピルや漢方薬を飲んでも治らないPMS、何をやっても治らないPMSには意外な7つの理由があり、その根底には低血流、冷えがあるようです。

鉄欠乏性貧血がある

一般的な検査で赤血球数やヘモグロビン値が正常で自分では貧血ではないと思っていても、フェリチン(貯蔵鉄)の不足で体内の鉄分の収支がマイナスになり、鉄欠乏性貧血が隠れている場合があります。PMSの症状を訴える方の半数はこのフェリチン不足ともいわれ、血流で酸素を運搬する能力が落ちてPMS症状が強く現れます。

甘い物や嗜好品(アルコール・コーヒー・タバコ)がやめられない

[甘い物]
生理前は女性ホルモンの変動がインスリンに影響を及ぼして血糖値が下がるため、甘い物が無性に食べたくなりますが、甘い物を取り過ぎると血糖値が乱高下してイライラしやすくなり、さらに体が酸性に傾き血流を悪くしてむくみを助長し、PMSの症状が重くなります。

[アルコール]
月経前はホルモンの影響を受けて肝臓でのアルコール代謝能が低下するため、二日酔いやむくみを招きやすく、お酒の飲み過ぎはPMSのリスクを2倍近く上げることが知られています。

[コーヒー]
コーヒーを飲み過ぎるとカフェインの作用で交感神経を優位にするため血流が低下し、PMSの精神的症状を悪化させ、治りにくくします。

[タバコ]
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、血流を低下させて冷えを招き、PMSの症状を重くします。

ストレス解消がうまくできない

ストレスは交感神経を刺激するため、血管は収縮し、血流が減少します。この血流の低下は、精神的なイライラや攻撃性を引き起こすばかりでなく、むくみを招いて身体的な不快感や痛みを増強します。また、コルチゾールのようなストレス関連ホルモンが分泌されて気分の変動が激しくなり、既存のPMSの症状を悪化させてしまうのです。
実はメンタルなストレスよりも、入浴時の化学洗剤によって肌バリアが破壊され、残留塩素や洗剤の石油化学物質、入浴剤の色や香りの化学物質などによる交感神経の刺激によるストレスが、皮下脂肪に溶けた化学物質が四六時中体にストレスホルモンコルチゾールを分泌させ血流を止めて体を冷やしますので、ストレスをなくすには、重曹/クエン酸が主成分の重炭酸温浴により化学洗剤を使わず入浴する生活習慣を継続する事が重要と思われます。特に女性や赤ちゃんは肌バリアが弱く経皮毒を受けやすいので、化学洗剤や水道水に残留塩素を除去することが重要で、この重炭酸温浴を実施することで改善が期待できます。

睡眠障害がある

寝つきが悪く、眠りが浅く、睡眠の質が悪い方では、集中できない、イライラする、落ち込む、不安になる、疲れやすいなど、PMSの症状がより強くなる傾向があります。さらに、頭痛やけいれん、消化器系疾患などの身体的症状が現れるリスクも高くなります。
睡眠障害も冷えで体温が低いために起こります。重炭酸温浴で体温を上げ、睡眠時の体温の下げ幅が大きく取れるようすることで寝つきがよくなります。

合成化学物質(芳香剤・消臭剤・合成洗剤)を継続して使っている

芳香剤や消臭剤、合成界面活性剤を使った化学洗剤などは、ボディソープやシャンプー、色や香り付きの入浴剤にも含まれ、特に無防備なバスタイムに毎日継続して化学洗剤や色や香りの化学物質が満載の入浴剤等を使うことで、経吸気的に肺から、あるいは経皮的に皮膚から体内に吸収されて、無意識に有害物質が体に蓄積していきます。皮下脂肪に蓄積した有害化学物質は、交感神経を常時刺激し毛細血管を収縮させ、免疫を破壊し炎症を起こしたりして、PMSの症状を悪化させます。

冷え性である

冷えは万病の元ですが、その冷えは主に入浴時の化学物質、徳の化学洗剤や残留塩素や化学入浴剤が肌に触れることで、血流障害が起き、血流が低下し低体温化で冷えます。血液はエネルギーの材料を37兆個の末端細胞迄まで運び、酸素と栄養で作られた熱を体の隅々まで運んで体温が維持されますが、血液の流れが滞るとエネルギーが十分に行き渡らず、体は健康な状態を保つことができなくなります。冷えにも様々なタイプがありますが、特に20~30代の女性では深部の体温は高いのに末端の手足が氷のように冷たいケースが多く、夜になっても手足からの放熱機構が働かないため寝つきが悪いなど、自律神経の乱れにつながり、PMSの身体的症状、精神的症状が治りにくい傾向がみられます。

治らないPMSの根底には冷えがありました

PMSが治らない理由のすべてが、結果として冷えに起因し、冷えが原因となっています。冷えの大きな原因は戦後の化学洗剤を使う入浴にあり、戦後の水道水に添加された残留塩素にあり、戦後の色や香りの入浴剤の化学物質にあります。42℃とか高い温度のお湯で温まっても、交感神経が緊張し血流は止めており、お湯から出たら体は冷えてしまっていたのです。 よく言われる鉄欠乏性貧血のような隠れ貧血がある方では、酸素を運搬する能力が低いため熱を十分に作れず、大事な内臓の体温を保つため末梢の血管が熱を逃さないように収縮して余計に手足の冷えを生じます。
また、甘い物やアルコールの摂り過ぎは体が酸性に傾いて血流を悪くしますし、コーヒーのカフェインやタバコのニコチンも血管を収縮させるため、同様に血流が下がって体温は下がります。継続的なストレスや睡眠不足も自律神経の乱れを引き起こし、交感神経優位の緊張状態が続いて血流が低下します。
そして、口から入る有害物質や経皮的に吸収される化学物質は、皮下脂肪や骨などに蓄積して慢性的なストレスとなり、血流を低下させて冷えを生じます。特にバスタイムに使う入浴剤や洗浄剤には、合成香料や色素、界面活性剤など、私たちの体に悪影響を与える化学物質が含まれることが多く、意識しないうちに皮膚から取り込まれて体内に蓄積し、化学ストレスの原因となって低体温を悪化させ、PMSの身体的症状、精神的症状をより深刻化させているのです。

重炭酸温浴NO療法によりPMSの改善が期待できます

冷えを解消するために、岩盤浴やサウナ、よもぎ蒸しなど、様々な温活法を試された方も多いと思いますが、42℃以上の高い温度でダイレクトに体を温めると一時的には血管が開いて血流がよくなり、体温も上がるように思いますが、42℃以上は体は交感神経にスイッチを入れてしまい、血流を下げて体を冷やそうとしてしまいます。岩盤浴やサウナなどの温活は、体は血流を下げて耐えようとしますので、深部の体温は上がらないどころか下がります。特に子宮のような深部の臓器は高い温度で温めても本質的には温まりにくいのです。 血流と酸素で体を温めましょう。
子宮の体温を上げるには全身の抹消毛細血管の血流を良くして深部体温を上げることが必要ですが、もっとも安全で効率的に深部体温を上げるのは、重炭酸イオンの生体恒常機能で、血管内皮にNOを分泌させ血管を拡張して自動的に血流を上げ酸素を燃やして体を温める、つまり重炭酸温浴NO療法しか無いのです。
重炭酸温浴の両方の血流促進作用は非常に高く、本場ドイツでは天然の重炭酸温浴が医療泉として保険適応されるほど、重炭酸温浴の健康増進効果は世界的に認められています。
重炭酸温浴NO療法は、重炭酸イオンの働きで他の入浴剤やさら湯に比べて血管を拡げる作用が強く、血の巡りを回復し、体を芯から温める方法として様々な研究も進んでいます。また、化学洗剤不要で入浴できるオールインワン入浴剤となっており、ボデイソープやシャンプーなど一切の洗剤を使わずに頭から髪から足先まできれいにニオイまで洗浄できるので、バスタイムに最高のリラックス効果をもたらします。

冷えを解消してPMSにアプローチする重炭酸温浴の4つのメカニズム

重炭酸イオンで健康ホルモンNO(一酸化窒素)を増やす

重炭酸入浴剤のおもな成分は重曹とクエン酸、ビタミンCです。お湯に溶かすことで生じる重炭酸イオンが経皮吸収されて、血管内の酸素と重炭酸イオンのバランスが崩れ、血液のpH(ペーハー)が変わって脳は酸素が足らないと判断、急ぎ血管を拡張して血流を上げ、肺から酸素を取り込んで、ガスバランスを整えようという体の自然な生体恒常機能で血管内皮に血管拡張物質一酸化窒素(NOエヌオー)を分泌し血管を拡張します。NOは血管を柔軟に柔らかく動脈硬化を防ぐなど、あらゆる病気を防ぐ健康ホルモンとも呼ばれ、血管を拡張させるだけでなく、抗酸化作用や抗炎症作用をも、もたらして血管健康増進やアンチエイジングにも貢献します。 また、NOは、認知症やEDやコロナウイルスなどの酸素欠乏賞にも効果を発揮することが知られています。

重炭酸イオンによる、血管内皮での一酸化窒素(NO)産生及び血管拡張メカニズム

血の巡りをよくして体温を上げる

NOの作用で血管が拡張して全身の血流がよくなり、ぬるいお湯の温度でも体温が上がるため、心臓や血管に負担をかけずにリラックスした状態を保ちながら血流の力で深部まで効率よく温めることができます。また、ビタミンCの作用で水中の残留塩素が瞬時に分解されるため、化学的な交感神経刺激がなく、血管の拡張を妨げません。重炭酸温浴を継続することで、効率的に体温が上がって冷えが解消されることが報告されています。

重炭酸温浴による深部体温上昇効果
(さら湯入浴、酸性炭酸ガス系入浴剤での入浴との比較)

第5回日本先制臨床医学会学術記念大会(2022)より

合成洗剤を使わずに汚れやニオイを落とす

マイナスに荷電した重炭酸イオンが、プラスに荷電した表皮の老廃物を吸着して、化学物質を含む洗浄剤を使わずに汚れやニオイを除去してくれます。

ホルモン分泌を調整する

古くから温泉療養には『中庸化(過ぎたることも不足することもない状態に調整すること)』の働きが知られていますが、重炭酸温浴NO療法にも 高い血圧は下げ 非高血圧は上げるなど、同様の働きがあり、ホルモン分泌をちょうどよい範囲に整えてくれる作用や自律神経のトータルバランス調整などの効果も期待されています。

重炭酸温浴法でPMSが治った3つのケースをご紹介します

○月経前のむくみがとれました[30代・女性・ヨガのインストラクター]
月経の1週間くらい前になると体全体がむくんで体重も増え、運動しづらい状態で仕事にも差し支えがありました。月経後から重炭酸温浴を1日20分続けるようにしたところ、次の月経前のむくみが軽くなり、生理中にはいつも鎮痛剤を飲まないといられなかったのが、生理痛も楽になりました。
○イライラ感や憂鬱な気分が解消しました[40代・女性・主婦]
月経前には足の冷えが強くなって靴が履けないほどむくみがひどくなり、ちょっとしたことでイライラしたり気分が落ち込んだりすることを繰り返していましたが、重炭酸温浴を1日15分、休みの日は30分続けていくうちにむくむ日が減って、気持ちが楽になりました。
○下腹部の痛みが楽になりました[20代・女性・大学院生]
婦人科で鉄欠乏性貧血と言われて鉄剤を飲み始めましたが、気持ちが悪くなるので飲み切れず、注射に変えてもらいましたが注射を止めるとまた貧血になる状態で、月経前と月経中の下腹部の痛みが強く、鎮痛剤が手放せませんでした。過敏性腸症候群もあって活動するにも制限があったのですが、重炭酸温浴を始めて2ヵ月後から下痢しにくくなって食欲も増し、3ヵ月後にはフェリチンの量も赤血球の数も増えて貧血が治り、別人のように元気になりました。


PMSは多くの女性を悩ませ、毎月一定期間、日常生活を制限する疾患です。投薬や自然療法を試してもなかなか治らないPMS、年々ひどくなるその症状には、普段の何気ない入浴などの生活習慣が招く血行不良による冷えが関係しています。現代に生きる私たちの体温は、半世紀前に比べて化学物質が氾濫し体はストレスを受け1℃近くも低下してしまいました。冷えはPMSばかりでなく、がんや自己免疫疾患などの進行にも深く関わります。
化学洗剤を使わないバスタイムの習慣を変えることで、ストレスを解消し、全身をリラックスさせて、冷えを根本的に解決することがPMS改善の第一歩です。重炭酸温浴NO療法は、もっとも効率的に血流に働きかけて冷えを解消し、体の環境を変えてくれます。毎日お家でできる重炭酸温浴で、辛いPMSの時期を快適に過ごしましょう。

参考資料

J Jp Soc Psychosom Obstet Gynecol Vol. 23, No. 2, pp. 131-137(2018)/第13回日本抗加齢医学会総会(2013)
第84回日本温泉気候物理医学会学術総会(2019)/Scientific Reports 11, 21789 (2021)