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冷え症

冷えの解消には 重炭酸温浴NO療法がもっとも有効です

2023.05.30 奴久妻 智代子

冷えの解消には 重炭酸温浴NO療法がもっとも有効です

現代人が抱えるあらゆる心身の不調や生活習慣病に対し、その根本的な原因の一つに“冷え”が挙げられます。日本人の平均体温は、戦後の生活習慣の変化で1℃近く下がってしまいました。体温が1℃下がると免疫力は30%下がるともいわれ、体温が低いほどがんや感染症など病気のリスクが高まります。科学が進歩して人が自然から遠ざかるほどに血流が低下し冷えが蔓延、人は病気へと近づいてしまいます。
私たちの体温を維持する基本的な熱を作り出すのは、細胞の中のエネルギー産生工場であるミトコンドリアですが、酸素と栄養をミトコンドリアに届け、またミトコンドリアで生まれた熱を体の隅々まで運ぶのは血流です。その血流を支配するのは、交感神経と副交感神経からなる自律神経です。
この一連の体の仕組みに働きかけて冷えを根本から改善する効果的な方法が重炭酸温浴NO療法です。
本記事では、冷えを解消し、体温を上げて睡眠や免疫を上げ真の健康をもたらす重炭酸温浴NO療法のメカニズムや実際のデータについて詳しく解説します。

睡眠に関してこんなお悩みを抱えてはいませんか?

あなたは日頃、以下のような症状でお悩みではありませんか?

●体温がいつも36℃より低い
●腰や手足、あるいは体全体が冷えて辛い
●足が冷たくて寝付けない
●夏でも厚い靴下が手放せない
●冬になると冷えるので電気毛布やカイロなどを使う
●冷房が効いているところは冷えて辛い
●上半身は暑いのに下半身が冷える
●汗をかけない
●風邪をひきやすい
●便秘や下痢がある
●皮膚が乾燥したりひびやあかぎれができやすい

冷えを招く原因として昔からよく言われるのは、運動不足で筋肉が減りミトコンドリアが減少、エアコンへの依存で自ら体温調節する機会を失ったり、食生活の偏りによる栄養不足、ストレス過多や加齢による自律神経機能の低下などが挙げられますが、実はそんなことは小さな効果で、無意識に血流を低下させ冷えを招いていた大きな原因として、戦後の化学洗剤によって起こされた経皮吸収による化学ストレスでの血流低下が考えられます。毎日のお風呂で使うボデイソープやシャンプーなどで肌バリアの皮脂を抜いてしまい、バリアにクラックが空き、ここから、塩素を含むお湯、化学合成香料や合成色素、その他コハク酸やリンゴ酸、フマル酸などの合成化学物質がたくさん入った入浴剤に浸かることで、残留塩素や合成化学物質が経皮吸収され、皮下脂肪に蓄積されて化学ストレスとして自律神経に作用し、交感神経を優位に血管を収縮させ血流を低下させて深刻な体温低下を起こすことが明らかになってきています。入浴中に、大面積の皮膚を通して体内に吸収された有害化学物質は、皮下脂肪に溶解し蓄積、慢性的な化学ストレスを与えて交感神経を刺激し続け、血流を低下させて深刻な冷えを生じます。特に女性の粘膜や赤ちゃんの脆弱な肌からの経皮吸収率は42倍と大きく、清潔好きな日本人は洗浄剤の使い過ぎでお肌のバリアが壊れている例も多く、傷んだ肌からの経皮毒の吸収は健康な肌の何十倍にもなります。また昔の子供が経験してきたような病原体からも遠ざかっているため免疫を鍛える機会も失われ、清潔と隣り合わせの危険に晒されているのです。

冷えの解消には重炭酸温浴NO療法がもっとも効果的です

重炭酸温浴は温泉としても知られ、ドイツでは療養泉として生活習慣病の保険適用にもなり、その治療効果は国際的に認められています。重炭酸温浴では、水と同じ中性のpHの湯中環境で重曹とクエン酸が反応した結果、安定的に重炭酸イオンを生じます。重炭酸イオンは皮膚を経由して血管に到達すると、血管拡張物質である一酸化窒素(NO)の分泌を介して血管を拡げ、熱の力を借りずに速やかに血流を促すことで、体に負担をかけずに深部体温を上げることが報告されています。

重炭酸温浴が冷えを解消する3つのメカニズム

重炭酸イオンを介した血管拡張物質NO(一酸化窒素)の分泌が血管を拡張する

重炭酸入浴剤のおもな成分は重曹とクエン酸、ビタミンCです。お湯に溶かすことで生じる重炭酸イオンが皮膚から吸収されて、血管での一酸化窒素(NO)の分泌を高めます。NOは血管を拡張させる作用を備え、拡がった血管の中を血液が流れやすくしてくれます。この重炭酸イオンの作用で、お風呂から出た後も末梢の血管拡張効果が続き、血流のよい状態が長続きします。

重炭酸イオンによる、血管内皮での一酸化窒素(NO)産生及び血管拡張メカニズム

血流をよくして体温を上げる

NOが分泌する理由は、お風呂から汗腺などを通じ血管中に重炭酸イオンが入ると、血液中の酸素と重炭酸イオンのバランスの崩れを体内センサーが感じ、血流を上げて肺から早く酸素を取り入れ、血液のpH(ペーハー)が変わらないようしようとする生体恒常機能によって、血管内皮に血管拡張物質NOを分泌させます、重炭酸温浴をするたびにNOが分泌し血管が柔らかくなり動脈硬化を防ぎながら血管を拡張し全身の血流をアップすることができます、血流アップは温度ではなくNOの力ですから、ぬるいお湯でも体温が上がるため、副交感神経優位な状態を保ちながら心臓や血管に負担をかけずに体温を上げることができます。また、ビタミンCの作用で水中の残留塩素が瞬時に分解されるため、化学的な交感神経刺激がなく、血管の拡張を妨げません。化学洗剤を使わず入浴できることも副交感神経優にな入浴には有利な条件が作れます。
冷え性の方では1回温浴しただけでも重炭酸温浴の効果を体感される方は多いですが、さらに重炭酸温浴を繰り返すことで血管が開きやすくなって血流が行き渡り、平熱時の体温が上がって冷えが解消されていきます。

合成洗剤を使わずに汚れやニオイを落とすオールインワン入浴剤

マイナスに荷電した重炭酸イオンが、プラスに荷電した表皮の老廃物を吸着して、化学物質を含む洗浄剤を使わずに汚れやニオイを除去してくれます。交感神経を刺激して血圧を上げてしまうような化学洗浄剤を使って体を洗ったり髪をシャンプーしたりする必要がなく、重炭酸入浴剤一つで洗浄と温めの役割を果たしますので、バスタイムにはただ頭から足の先まで浴槽にゆったり浸かってください。

重炭酸温浴法で冷えが改善した例をご紹介します

冷えに悩む成人女性で、3ヵ月の重炭酸温浴により冷えが改善した例

通年性の冷えに悩む成人女性19名(平均年齢42.6±7.5歳)を対象として、家庭での重炭酸温浴による冷え症状と体温の変化を検証しました。1日20分、3ヵ月間毎日の重炭酸温浴により、冷え性の症状スコアと起床時の体温は有意に改善しました(第84回日本温泉気候物理医学会学術総会 2019)。

重炭酸温浴による冷え改善、対応上昇効果

成人男女健常人で、1ヵ月の重炭酸温浴により主観的冷え症状が改善した例

成人男女健常人60名(平均年齢41.3±10.9歳)を対象として、家庭での重炭酸温浴による冷え症状への効果を検証しました。1日20分、平均週5回の重炭酸温浴により、主観的冷え症状は有意に改善しました(自社データ)。

重炭酸温浴による冷え改善効果

万病の元である冷え、重炭酸温浴NO療法はその冷えを改善するもっとも確実でもっとも手軽な方法です。重炭酸イオンの力で血管を無理なく拡げ、血管を支配する交感神経と副交感神経を調整し、血液の循環を良くするという体のメカニズムに働きかける、自然回帰のアプローチは、現代病ともいえる冷えの問題に根本から取り組み、私たちが抱えるあらゆる不調や病気対策の土台となるものです。
重炭酸温浴で冷えを解消し、体温を上げて、真の健康生活を謳歌しましょう。

参考資料

Scientific Reports 11, 21789 (2021)